新卒で入社する前に読んでおくべき「努力」についての本7選

はじめに

僕は同期が300人もいるソフトウェアベンダーに新卒入社して、3年間かなり努力したわけですが努力には正しい努力と正しくない努力の2つがあると感じました。正しい努力をすれば成果も出せるし評価もされるし出世もします。正しくない努力をするとみんなからイケてないと評価されてしまう残念なこともあります。今回選んだ7冊の本を入社前に軽く読んでおけば、どういう努力が正しいのか前もって知っておくことができるので同期よりも一歩だけ前に進めるかもしれません。

 

自助論 

150年前に書かれて今も多くの人に読まれる古典だからこそ努力の本質について触れることができる本。ACミランの本田も愛読しているらしい。『天は自ら助くる者を助く』というのが骨子で、才能よりも努力の重要さを事例を通して説き、努力を習慣によって解決するアプローチをすすめている。

 

実際の仕事で応用するとすれば、通勤時間はKindleで本を読む「習慣」を作ったり、新しい技術を勉強会などの「習慣」を作って取り入れるようにするといったことができる。この小さな積み重ねが3年で取り返しの付かない差になって後悔した時には同期が出世していることだろう。だから後悔しないように読むべき。

 

天才!成功する人々の法則 

一言で言うと『一万時間やれば天才になれる』という一万時間の法則がこの本のテーマです。どんな専門スキルでも一万時間くらいやれば最高レベルに達するという視点と、どんなに才能があろうが努力量が重要という2つの視点があります。自助論ベースに1万時間という具体的な数値目標があるのでわかりやすいですね。

 

エンジニアでとにかく優秀になろうと思えば、一万時間やってみるというのはかなり成功率の高い努力のやり方だと感じます。毎月180時間労働+120時間残業をこなせば、たった2.7年で到達できます。一方でのほほんと定時上がりが良いと思っている人は毎月180時間で4.6年もかかってしまいます。新卒3年目で結果を残し、一足先にリーダーになりマネジャーになるのはもちろん一万時間を意識して努力した前者の方になって当たり前ですよね。

 

一万時間の法則はさらにTEDでバージョンアップされていて、20時間の法則と考え方を組み合わせてより効率的に努力する方法論が示されています。新卒のように新しいことに取り組む時は必見です。

logmi.jp

 

やり抜く力

心理学者の著者が米国陸軍士官学校の過酷な基礎訓練(7週間)を研究したものがテーマになっていて、いくら成績が良くても脱落するものがいれば成績が悪くても脱落しないものがいて、その差は何なのか?その差は「やり抜く力」で、メガ成功者(ビル・ゲイツ/ザッカーバーグ/オリンピックゴールドメダリストetc)へのインタビューでも共通して現れていることからどうすれば「やり抜く力」を鍛えることができるかについて知ることが出来ます。

 

  • 諦めずに一つの課題に集中することが出来た人は強い。
  • 努力とは意図的な練習のこと。
  • 好きにならないと努力できない。

 

中でも「意図的な練習」をしないと努力にならないという点は、仕事をしている間に意識しておかないといけない問題だと思う。油断しているとこの前と同じようにルーチンワークにしてしまいがちで、常に改善できないか(より早く・より正確に・よりクリエイティブに)これまでよりも高い目標設定をしながら実行しないと努力にならないという。

 

また、好きでないと努力できないということも見逃せない問題だと思う。純粋に仕事を楽しむことが大事で、楽しむために数値で自分の成長の見える化をはかったり、マネジャーから頻繁なフィードバックをもらうことも努力を続けるコツといえます。

成功者が持つ「グリット」才能でも努力でもない第3の要素とは - ログミー

 

ボールド 突き抜ける力 

ちょっと異色の努力の仕方として「BOLD」をオススメしたい。もとはGoogleとかFacebookがとんでもない成長で、世界を一変させたけどそういう起業家になりたい人向けの本です。実際に本の中身では努力について触れていて、大きな目標を持つことで集中力と粘り強さが得られると書かれています。この本から得られるのは自分が解決すべき問題のレベルを高く持つことで、逆に画期的な方法で解決ができたり、やりがいが生まれて高い集中力と粘り強さで解決できるようになるという示唆が含まれています。

 

既存事業を既存のフレームワークで+10%成長させるのは大変だけど、既存事業を新しい考え方で+100%、+1000%成長させた事例は多数あるので持っておくべき考え方の一つだと思いますね。参考事例としてキットカットのマーケティング戦略があげられると思います。

 

参考:キットカットのマーケティング戦略事例

ニュース - 【NET Marketing Forum】「我々のマーケティングは宣伝,広告から離れることから始まった」--ネスレコンフェクショナリーの高岡社長:ITpro

  

努力不要論

ここまで努力大事!って言ってきたのにこの本もオススメしたい。シンプルに言うと「意味のない努力してるやつの何と多いことか・・・意味のある努力をせよ」ということで、これまでは心理学からのアプローチだったのが脳科学からアプローチしているだけです。人は努力した分報われると無意識に期待してしまうけど、そんなことは脳が作り出している幻想なので正しく努力しないといけないという論旨とかは他の本とだいたい同じ。脳科学に興味がある人とかは実際に読んでみると良いかもというレベルの本。

 

入社1年目の教科書 

ライフネット生命CEOの岩瀬大輔さんが入社1年目の新卒をターゲットに書いた本ということで、かなり具体的にマインド面について言及している。これまでの努力とは少し違うが、書かれている内容は出来て当たり前と世間一般的に思われていることなので、出来なければ努力して何とかしないといけない。日本で仕事するならやっておいて損がない正しい努力だとも言い換えられる。社畜だとか恥ずかしいとか思わず、たったこれだけのルーチンが出来れば「信頼できる」と思ってもらえるなんて信頼のバーゲンセールではないでしょうか。

憂鬱でなければ、仕事じゃない 

キラキラ感あふれるサイバーエージェントと幻冬舎のCEO対談本で、まぁタイトル出落ち感満載なのでまったく買わなくていい。仕事で苦しんでいるということは、正しく努力しているということの表れなので、成長痛だと思っておけば良い。逆に仕事が楽だったりした時は危機感を感じた方がよくて、意図的な練習をしているか、高い目標を設定しているかということを自問しないといけません。

まとめ

  1. 正しく努力する 
  2. 一万時間やり続ける
  3. 好きでないと努力できない