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キュレーションメディア業界のブルーオーシャン戦略(welq,C CHANNEL)を分析してみた

キュレーションメディア

 

キュレーションメディア活況の2016年

大量のキュレーションメディアが乱立し、クラウドワークスの株価が上昇する2016年でした。これまではあまり注目されなかった業界でしたが、MERYのTVCMなどを皮切りに20代〜30代女性が日常的にキュレーションメディアを見る消費スタイルはかなり定着してきたと思います。その中で、特に成長したwelq(DeNAパレット)とC CHANNELの事業戦略について分析してみました。

 

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急成長した2つのキュレーションメディア

DeNAパレット(welq)

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SimilarWebの訪問数がものすごい勢いで3倍〜4倍に成長しています。キュレーションメディア業界でこの現象が起きるのは、競争相手がいないブルーオーシャンの市場で書いたら書いただけアクセスが稼げるようになる無敵モードの時だけです。welqがターゲットにしている医療系のクエリーは各メディアからすると、薬事法とか大変そうだし訴訟トラブルとかやばそうと敬遠されてきた市場でした。 たしかに問題もたくさんあるとは思いますが、実際やってみると思ったよりも反発はない?みたいな空気でめちゃくちゃグロースしています。

 

他のDeNAパレットメディアも2倍くらいのペースで成長していますが、welqの成長速度はやはり異常だと感じるのでブルーオーシャン戦略が見事ハマった良い例だと思います。

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そもそもキュレーションメディアがなんでこんなに急速に伸びるかというと、クラウドソーシングのライター獲得と内製エディター体制で高品質の記事の大量生産が行えるからです。MERYだけで月5000本も新しい記事を上げていて、他のパレットメディアを含めるととんでもない数の記事を「生産」しています。SEOキーワードの需要がだいたい月2000人で1PVあたり収益0.5円だから、4000文字=4000円で依頼しても4ヶ月でペイするからクラウドソーシングに依頼するみたいな生産ラインが構築されているのです。またスケールを追求すれば、エンジニアによる効率化も営業の合理化も可能になるので無双状態になります。

 

C CHANNEL

女の子の「知りたい」を1分動画で解決 なサービスですが、編集長が元サイバーエージェントでby.Sの編集長に変わってからとんでもない速度でグロースしています。

 

2015年12月に編集長に就任

 

就任後4ヶ月で月間動画再生回数が1億を突破


さらに海外でグロースして2億を突破


多言語対応したのは

英語・中国語・タイ語・韓国語で、とくに台湾とタイが伸びているらしい。これはSnapeeと似たような現象で、日本のメイクとかカワイイ文化はアジアでグロースしやすいのかな?

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C CHANNELが新しいのは「スマホ向けの縦長動画」を1分という尺で、キュレーションメディアをやっているということ。テキストと画像のメディアと違ってSEOからの流入が難しいからか、既存のキュレーションメディアもあまり攻めてきていないブルーオーシャン領域な気がします。あのMERYでも動画コンテンツへの本格参入はまだです。

 

勝因はどう見てもブルーオーシャン戦略が効いた

welqもC CHANNELも競争相手が少ない市場(=難しそう)に飛び込んで、意外と大丈夫で生き残ったという事例だと思います。welqはみんなが嫌がりそうな所に飛び込んだし、C CHANNELは動画作成コストがクラウドソーシングできないからスケールできなさそう・・・という問題があっても、解決してブルーオーシャンにしてしまったのだと思います。

 

今、僕たちが出しているのは、スマートフォンで動画を編集するアプリです。そして、そこから簡単にアップできるツールを作りまして。それで、世界中の人がそこで編集をしてアップするという状況ができています。

森川亮氏がC CHANNELの世界戦略について語る - ログミー

 

ブルー・オーシャン戦略 - Wikipedia

 

ブルーオーシャン戦略の実現のためにはバリューイノベーションが必要だと提唱者のキムが言うように、welqもC CHANNELも見事に既存の価値を捨てて、新しい付加価値を見出したというように見えます。

 

ブルーオーシャンはいつかレッドオーシャン化する

とはいえ、ブルーオーシャンだった市場もいつかはレッドオーシャンになっていきます。welqはきっとヘルスケアテック系のコンテンツと競合していくだろうし、C CHANNELは顧客層的にDeNAが殴り込みに行きそう。

 

ヘルスケアベンチャーたち

MEDLEY(メドレー) - オンライン病気事典

ミナカラ | 十人十色のみんなのカラダの悩みを解決!ヘルスケア情報サイト

エムスリー株式会社

FiNC (フィンク) | モバイルヘルステクノロジーベンチャー

 

今後のキュレーションメディアの行く末を予想

キュレーションメディアの流入の多くはSEOで、2016年はキーワードの発掘と大量生産を行ったDeNAパレットが圧勝し、新しい動画メディアが急速に成長してきた年になりました。2017年もキーワードは発掘しきっていないので、スケールメリットのあるDeNAパレットは引き続き効率化と大量生産でグロースしていくと思いますが、広告収益は頭打ちが見えてくるようにも思えます。MABLEがクルーズに買収されたケースを見ても、キュレーションメディア単独での成長には限界があって、ECとの組み合わせやマネタイズの手法を模索しているフェーズにあります。

 


あとはクックパッドやNewsPicksのようなユーザー課金モデルへの模索も考えられますし、SHOWROOMみたいな課金モデルもあり得るかもしれません。安直に考えるとC CHANNELの海外展開のケースを参考にして、キュレーションメディアの多言語対応でグロースさせる手法も考えられます。とはいえ、ユーザーに求められる質の高い情報コンテンツを提供できたものが生き残り、ゴミ記事しか作れないメディアは死んでいくところは昔から何も変わっていないので本質を磨いていくしかないのではないでしょうか。