新規事業で「SEOで集客する」の本当の意味を教えてやるから担当者は耳をかっぽじってよく聞け!

ぼくについて

今はとある企業でグロースハックという仕事をしているエンジニアです。

 

これまでSEOの会社でキュレーションメディアやったり、自分でメディア立ち上げたり、新規サービスやったりしてある程度SEOについて理解があります。その中で事業戦略上の「SEOで集客する」というのがものすごい簡単かつコストがかからないと思っている人がいるのでその幻想を打ち砕こうと思います

 

SEOで集客する前にやること忘れんな!!

新規事業だと最初はプロダクトを作って、リリースしたらユーザーを集めます。

すごくシンプルで、ユーザーを集めるためにSEOで自然にユーザーが入ってくるよ!

こんな能天気な事業計画書をよく見ます。

 

そもそも集客する前にプロダクトマーケットフィットといって、ユーザーに手にとってもらい、実際に使ってもらうレベルまでプロダクトを磨かないといけません。これがグロースハック最初のお仕事です。いくらすごいものを作ってもユーザーが使ってくれなければタダのゴミです。

 

ポール・グレアムが言うところの「人が欲しがるものを作れ」

 

実店舗で考えてみてください。

ラーメンがクソ不味いラーメン屋が、いくら集客をがんばってもクソ不味いんだから集めれば集めるほど悪い評判が立ってソッコーで潰れると思いませんか?

 

なぜかWebサービスだと、ユーザー体験がまだまだ求められているレベルに達していないのにSEOで集客しよう!みたいなフェーズになりがちで、コンサルティングファーム出身の手を動かさない系男子によく見られます。というのも手を動かす人はプロダクトを磨くのに手一杯だけど、手を動かせない人たちは序盤仕事がなくてこういう構図になりがちなのだと思っています。

 

SEOで集客する時に本当にやらなければいけないこと

本当にやらないといけないSEOの実務は大きく2つあります

  • キーワードプランナーで検索需要を分析すること
  • 検索需要からサイト構造とコンテンツフォーマットを決めること

 

SEOはマーケティングの中でも特殊な領域で、あらかじめ検索需要がわかる特殊な市場です。「京都 着物」の月間検索ボリュームが1万とかもう数値化されていて、その情報ニーズにどれだけ満足度高く応えられるかだけのシンプルなゲームです。

 

「SEOで集客する」を考える時には、まずこの検索需要を把握することから始まります。具体的に言うと、「着物」は月間検索ボリュームが10万くらいあって、「着物 京都」とか「京都 着物 体験」とかは1万くらいの需要がありますが、「着物 浅草」とかはほとんど検索ボリュームがないわけです。

 

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この例から分かるのは京都で着物を来て散歩したいと思うのは他のメディアを通して知って、実際にやってみたいと思わせることができたからだと仮説が立てられます。一方で浅草は検索するほどではないか、そんなサービスがあることをそもそも知らないということが分かります。ただ、浅草にも着物レンタルで歩いている人はそれなりにいるので、ツアーなどの流れで提案されれば需要が刺激されてやってみようとなるコンテンツだということが分かります。

 

この場合のSEOで集客するっていうのは「着物 京都」だけにコンテンツを集中させて、その人達が知りたい情報を網羅的に掲載すること。コンテンツの見出しには複合キーワードを含むように設計して、テキストと画像は滞在時間をどれくらい伸ばせられるかを考えてリズム良く配置していきます。キーワード含有数を上げるために、タグやカテゴリーの運用も考慮にいれます。もし、浅草の着物レンタルのコンテンツがあれば、SEOでの需要は見込めないのでソーシャル・リアルでの露出や他のSEOコンテンツから導線を作るといった設計が別途必要になります。

 

これが基本的なSEOで集客するということの実務だと思っています。

単純にコンテンツ量を増やせば上がるのがSEOではないです。

事業全体の意思決定をする人は、SEOは需要が分かるマーケティングゲームだという理解だけで十分です。それさえ分かっていれば変な意思決定をすることはないです。

 

事業戦略に寄り添うSEO戦略とは

SEO単品で見れば単純に需要に対して良いコンテンツ作ればOKなのですが、あくまで集客の手段であって事業目的ではないのでちょっと複雑になります。

 

例えば食べログなんかは「おいしいをみつけよう」っていうキャッチを今使っています。検索したら評価の高い美味しい店が見つかるっていうのがコアなユーザー体験で、美味しいの定義は口コミと★の数で表現されます。食べログのプロダクトマーケットフィットは口コミをあつめてお店に★を付けることが出来て初めて他にない価値が生まれるのでユーザーが集まってきます。

 

安直にSEOだけで集客を考えると、こういう「目黒駅 ランチ」みたいなキーワードに対してまとめ記事を作ったりして、おすすめのお店のリンク先が食べログ本体みたいな構造にすると思います。ただ、それでは本当に大事な口コミが集まりません!

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事業構想のインタビュー記事で個人ブロガーにフォーカスして口コミを集めたことが語られています。

村上 ログでレストランについて記事を書く人は多く、askU、東京グルメもありましたが、個人ブログがものすごい勢いで盛り上がってきた時期でした。最初はブロガーに焦点を絞り、トラックバックで簡単に投稿できるツールを作ったり、ブログパーツを作ったり、ブロガーが食べログに参加してもらう工夫をしました。

口コミグルメサイトの成長曲線 | 月刊「事業構想」2014年1月号

 

一方で、ユーザー獲得に一番効いた施策はSEOだとも言っています。

武田 ユーザーを獲得していく上で最も効いた施策は何ですか?

村上 SEOですね。店舗のデータベースをしっかり作ったのが効きました。当時(編注・2000年代中ごろ)は日本中の店舗を網羅するグルメサイトは1つもありませんでした。最初は日本中の雑誌や書籍を買いあさり、内製でお店を登録していきましたが、今ではユーザーが自発的に月に5,000店舗ほどの新しい店のデータベースを追加してくれています。

口コミグルメサイトの成長曲線 | 月刊「事業構想」2014年1月号

 

最近では安易にキュレーションサイトを作ってそこから送客させる手法がありますが、それで本当に事業目的が達成できるの?って疑問になるSEOが見受けられます。寄り添うSEOでありたい。

 

細やかなSEOも大事だが・・・

抽象度の高いレベルでSEOを述べてきましたが、細かい速度改善やmetaの実装、SERPの実装とか404ちゃんと返したり、URL変わったら301したり、sitemap作ったりというのもすごく大事です。そういうのはWeb上にノウハウがいっぱいあるしやればいいだけだから特に言うことはないです。

 

さいごに担当者であるぼく

だいぶ上から目線の煽りタイトルを付けました。

内容は少し前の自分への戒めでもあります。

SEOしてからプロダクトマーケットフィットというのはたぶん存在しない。

もやもやしている同じような担当者の力になれると嬉しい。