みんな辞めたいけどもう止まれない!基幹刷新プロジェクトの裏側[2]
はじまる怒涛のプロトタイプ開発
与えられた工数は2周間
通販の受注を受けるプロトタイプをスクラッチすることになった。
お客様はパフォーマンスを気にしているとのことで、顧客・受注・商品のテストデータ1000万件で高速に動くことがデモできるようにとのオーダー。
システム構成は速攻で作れるようにフロントはAngularJSを使い、バックエンドはPHPだったけどLAMP開発素人だったので2~3日はなれるまで苦労した。
新人エンジニアに教えながら、アジャイルで作っていく。
朝6時に起きる
8時にはコーディングを始める
ランチして
23時には終電だから帰る
土日もはたらく
そんな怒涛の2週間はすぐに過ぎた。
これが評価されてどでかい基幹刷新プロジェクトが始まった。
業務を変えずにシステムだけ刷新する本末転倒
プロジェクトは始まったものの、弱体化した情シス(一回基幹刷新失敗している過去)なので業務を変えずに既存のシステムだけを刷新するという方向性になっちゃった。
こんなプロジェクト
- 現行踏襲
- 業務は変えない
- 仕様バグも影響わかんないから踏襲
そもそも今回のプロジェクトのゴールはメインフレームからオープン系に切り替えることで、高額な保守コストをカットして機能追加にコストがかけられるようにするということだった。
ぼくの頭のなかでの理解
ニーズが変わる→業務が変わる→保守コストがかかる
リプレースする際に全部書き直すとかアホみたいにコストがかかるので、本当に必要な機能や仕様だけにそぎ落として新システムに移行すべきなのはだれでもわかることと思う。
必要な機能や仕様とは、ニーズがあること、つまりその業務がなくなるとものすごい困るもの。言いたいことは機能そのものが大事なのではなく、結局お客様のニーズ次第なので業務はそれに合わせて変わるし、踏襲するのは「ニーズに対しての問題解決」だけだ。
はじめからボタンを掛け違って大変でした。
逃げ出す協力会社たち
既存プログラムを設計書とソースコードから解読し、PHPで書き直しテストするという面倒くさすぎてクソおもしろくないルーチンワークが500人月くらい積み上がりました。カットオーバーまで残り1年!
1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と日が経つにつれてエンジニアの目が死んでいきます。
おもしろいくらいに目が死に、勤怠が悪くなり、モチベーションが落ちる所まで落ちている気がします。なにせ大して頭使わないし、間違ったら怒られる!
それだけでなく、メインフレームのILE RPGという言語仕様はすべてイテレータパターンで実装されていて処理の全体像が見えづらい!
解読が難解→実装が遅れる→デスマ
平均の稼働時間が280時間くらいだったんじゃないでしょうか。
続々と協力会社は白旗をあげだす始末
全然使えないという理由で切り捨てた協力会社もありましたが、だいたい仕事がキツすぎて逃げ出しました。
だれも業務しらないというトラップ発動
究極だったのは、現行踏襲でコードもわけわかんなくてどういう風に業務やってんですか?って聞くとだれも知らないという事実だけが分かるトラップ。
業務が分断化・定型化されすぎてだれも全体像を知らなかったり、何千人かいる社員の中の1人だけがやってました的なトラップには何度もハマった。もうそれいらんやろ!
覚えるかドキュメント書いておけよ!
学んだこと
限界を超えて働かせることはできない。
おもしろい仕事か承認欲求を満たすモチベーションを報酬にしないと体を壊す。
はじめ方とおわり方が大切
あと残り9ヶ月でカットオーバーって時でこの状態です。
>>つづく(荒ぶるWBSと伝家の宝刀GWで打鍵祭り)
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