ホワイトカラーの仕事はロボットがやるから無くなるって本当?
ロボットが日常業務を自動化するようになる
まさに最近ホワイトカラーの日常業務を自動化するプロジェクトをやっていたので、あと2・3年もすると企業のバックオフィス(総務・人事・会計・労務・法務)の仕事は、かなり大部分をロボットが代わりにやるようになるという肌感があります。
そもそもロボットって何?
いわゆる工場のロボットではなく、人間の代わりにブラウザを操作したり、メールを送ったり、Excelを開いてデータを集計して別のファイルに保存したりするものをロボットと呼んでいます。
これまでのシステムとロボットって何が違うの?
これまではシステムを人間が操作する2階層でしたが、間にロボットが挟まるのをイメージしてください。システムをロボットが操作して、そのロボットを人間が操作することで半自動〜自動で作業を行うことができるようになり、生産性が飛躍的に向上します。
ロボットを使った具体的な事例
具体的にどういうことかというと、かんたんな経費申請でも人間がやる作業はこんなにたくさんあります。
- 申請書類のチェック
- ワークフローシステムで承認してもらう
- 会計システムへの入力
- SAPなどのERPへの再入力
- 給与システムへの連携
この1つずつの作業は定型業務なので、1つずつ業務とその分岐や通知を洗い出して、それを1つずつ実装しいきます。この時は申請書類OKにして、この時は申請NGだから担当者にメールするといった具合に、1度実装してしまえばロボットはミスしないし給料も請求してこないので低コストでバックオフィス業務が回るようになります。
ホワイトカラーの仕事のほとんどは定型業務だから自動化できる
生産性UPに貢献したBPOと定型業務
一昔前に大手コンサルがBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の旗を振って、ノンコア業務とかバックオフィス業務の外注によるコスト削減を達成してきました。達成できたコスト削減額はだいたい15%〜30%と言われており、ある一定の成果をあげてきました。BPOができたのはホワイトカラーの業務が15%〜30%が外注化できるほどに定型業務だったからです。
BPOよりもコスト削減の期待ができるRPA
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、ホワイトカラーの定型業務をロボットに代替させて自動化する考え方です。BPOは15%〜30%しかコスト削減効果がありませんでしたが、RPAは人間の定型業務をすべて代替できるため45%〜75%の削減効果があると言われてます。特に定型業務の多い会計なんかは90%がロボットに代替されるとか。
RPAがコスト削減できる3つの特徴
- ロボットのコストは安い
- ロボットはミスしない
- ロボットは変化に対応できる
ロボットは一度作ってしまえば維持費はサーバー代だけなので、絶対に人間を雇うよりも安くなります。作るのにコストはかかってくるので、イニシャルコストは発生しますが人間を雇う時も面接したり追加コストは発生しますよね。
次に、ロボットはミスしたり騙したりしないので、正しく処理を行うべきところで活躍します。人間だとチェックに時間がかかってしまうことでも、システムには得意分野なことが多いので大幅なコスト削減につながります。
最後に、今後ロボットが進化していく前提での話ですが、機械学習やAIのテクノロジーを取り込んでいくことで変化に対応できるようになっていくかもしれません。現状は定型業務をこなすだけですが、異常を検知すれば人間に確認を取ったりすることなんかはすぐできそうですね。
結果、ホワイトカラーの仕事は無くなる?
すべての仕事はなくなりませんが、定型業務は確実になくなっていきます。逆にいうと、定型外の業務が主になることでよりスキルの二極化が進み、企業間競争も加熱するのではないでしょうか。SIerや業務改革コンサルタントの人にとっては、今後数十年の飯の種がRPAだったりするかもしれませんね。
RPAの事例や概念をもっと知りたい方は、日本で唯一RPA専業でやってる会社の本が出たので一読してみはいかがでしょうか。