カンブリア宮殿に出た「大里綜合管理」はCSV(共有価値創造)の成功事例だと思う

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大里綜合管理とは

従業員数24名、売上5億で不動産管理と戸建ての設計・施工を主に行う、千葉のローカルで小規模な会社。他と一線を画するのが、地域活動を就業時間の半分もやっている常軌を逸した働き方にある。カンブリア宮殿に出ていて、久しぶりに衝撃を受けた放送回でした。まさにポーターが言う「CSV(共有価値創造)」の成功事例だと言えるのではないでしょうか。というのも、不動産管理や戸建ての施工を主事業とした場合に、地域活性化や清掃活動そのものが、不動産価値向上だったり戸建て受注のためのプロモーションに繋がりやすい性質は明らかで、社会問題の解決と企業の売上を作る方向性が一致しているからです。

 

これまでCSVがうまくいかなかった理由

CSVというよりここ数年までは、CSR(社会的責任)というフレーズが多用され、企業にとってはただお金を出して社会問題を解決するようなことがありました。そのCSR自体を否定する気はなく、やらないよりやってもらったほうが地球環境は良くなるだろうし、単純にありがとう!

 

CSRがうまくいかなかったのは、どうしても企業が営利を目的としている限り、コストになった時点で継続性に問題があり、慈善活動として社会の本質的な課題解決にはならないというのが大きな理由だと考えています。

 

andomitsunobu.net

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社会の課題しか解決できないケース

なんで三菱商事がサンゴ礁保全するんだろう

www.mitsubishicorp.com

 

みずほは何していいかわかんない状態

メガバンクの癖に金融ソリューションを全く活用しないあたりが慈善事業

www.mizuho-fg.co.jp

 

企業の課題しか解決できないケース

サプライチェーン含めた労働安全衛生はかなり企業寄りのCSRで、法整備も当然されているからわざわざ大きい声で言うことなのかというケース。

www.toshiba.co.jp

化学の力ってこういうことに使うんだっけ?と思う旭化成のCSRも興味深いです。社会が抱えている問題と企業の売上という2つの問題を同時に解決するような欲深さもCSVには必要なのではないでしょうか。

www.asahi-kasei.co.jp

 

社会と企業の両方の課題が解決できた大里綜合管理

年間約300弱のイベントを実行し、特に新人社員の教育としての側面も大きいらしい。社会問題への解決は企業と違って、目に見えてわかりやすく小さく行動を始めることができる。気づき→解決が習慣化されると、当然企業内部の課題にも主体的に解決してくれる人材が育成できるというスキームに自然になっている。意図したかは別にして、社会問題の解決が本業と完全にマッチしたという点で成功しているケースだと思われる。

 

ここまで地域活動に傾いた始まりは死亡事故だそうで、手放しには成功事例と言えない事情もあります。

shuchi.php.co.jp

遠藤功の現場千本ノック - 現場力を追い求めて -»第16話 大里綜合管理株式会社

 

小規模だからこそ実現できたのか?

従業員数が1万人だったらこんな事例がありうるかというと、かなり難しいのではないかと思います。なぜなら、大企業ならではの強みを出そうとすると、CSVも必然的にチームとして成果を出さないといけなくなります。小規模であれば1人で小さく始められたことも、人が増えるだけで複雑になるデメリットがあります。また、事業領域が抱えている社会問題が大企業ほど大きな問題を抱えていて、商社がエネルギーに焦点をあてて問題解決となると次世代エネルギー技術への投資したり、環境保全できる商材の取引をエネルギー投資のスキームとして取り込むとか1人で出来る次元を超えています。だからこそ小規模だから出来たとも言えますし、人が多いのだから大企業でもチームで解決すれば良いとも言えます。

 

まとめ

中小企業の方がCSVを実現しやすい。気づき行動することがCSVを抜きにしてあらゆる問題解決に重要で、それを一人で始めることもできるし、チームでやることもできるということ。まず一歩やれる人が今求められている。

 

大里綜合管理 

http://www.ohsato.co.jp/

 

 

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